INTERVIEW組織再編について

当社は2025年1月1日、GMOインターネットグループ株式会社(以下、GMO-IG(株))から、インターネットインフラ事業とインターネット広告・メディア事業の譲受を行います。また、それに合わせて、商号を「GMOアドパートナーズ株式会社」から「GMOインターネット株式会社」に変更します。この事業の譲受に伴い、上場先の市場は当社が現在上場している東証スタンダード市場から、東証プライム市場に変更となる見通しです。
今回、この再編の目的や背景、再編後の展開について代表取締役 社長執行役員の橋口 誠と、取締役 専務執行役員の菅谷 俊彦に聞きました。

今回の再編の目的・背景について

Q1
今回の再編における目的・背景はどういったものになるのでしょうか?

橋口

インターネット広告市場は近年、AI及びテクノロジーの進歩などにより広告形態の多様化が進み、市場環境が大きく変化しております。こうした環境において、今後当社が持続的な成長を目指していくためには、AIや新たなテクノロジーを活用した新商品の開発や、安定した収益基盤を作るためのストック商材※の開発の加速、資本体制の強化などが必要であり、それにはこの再編が最も適していると考えたからです。
一見、ドメインやサーバーのようなインターネットインフラ事業と当社の事業にはあまり関連性は無いように思える方もいらっしゃるかもしれませんが、2つの事業の間には大きなシナジーがあります。こちらについては後ほどご説明します。

※ストック商材:取引が単発ではなく継続し、継続的に売上が積み上がっていく商材

Q2
お相手となるGMO-IG(株)のインターネットインフラ事業はどのような事業をされているのでしょうか?

菅谷

インターネットインフラ事業では、国内最大級のドメイン公式登録サービスである「お名前.com」を擁するドメイン事業や、ConoHaをはじめとするレンタルサーバーなどを提供するクラウド・ホスティング事業、またGMOとくとくBBといったプロバイダーサービスを提供しているアクセス事業の3つの事業を行っています。当社が行っている広告事業とは少し異なる領域であるため、耳馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんが、ドメインはインターネット上の住所とも言えるものであり、他にはデータを保管するためのサーバー、インターネットに接続するための回線など、インターネットを皆様が利用するにあたって、欠かすことのできないインフラを提供しています。

再編後の展望について

Q3
先ほどシナジーのお話がありましたが、具体的にはどういったシナジーが見込まれるのでしょうか?

橋口

お互いの強みをお互いに活かすことのできるシナジーが存在します。まずGMO-IG(株)のインターネットインフラ事業に対し、当社が提供できる強みについてご説明します。インターネットインフラ事業の基本的なマーケティング手法はインターネット広告がメインです。よって当社の主力事業であるインターネット広告事業とは非常に相性がよく、既にGMO-IG(株)は当社にとって最大の広告取引先です。現段階でもグループ内におけるシナジーを発揮することができていますが、同一組織とすることで、同じ当事者意識をもって、マインドの共有が強化されます。そうした人財の交流やコミュニケーションの質の向上を通して、マーケティング面においてさらなるシナジーを生むことを期待しています。
また、インターネットインフラ事業は各領域におけるNo.1の実績を持つストック商材を多数保有し、ストック商材の開発・構築に関する優れたノウハウを持っています。当社ではストック性の高い自社商材の開発や収益力の強化を課題と考えていますので、ここではインターネットインフラ事業における強み・ノウハウをインターネット広告事業に活かすことで、安定したストック性のある自社商材の開発に向けて一丸となって取り組んでいきたいと考えています。

Q4
グループ会社とはいえ多様な会社がありますので、文化の違いなどもあるのではないかと思います。文化や組織、働く環境などにおいて、今後に向けた課題は何でしょうか?

菅谷

GMOインターネットグループの場合は、関係性も多く、普段からよく一緒に仕事をし、グループ内でコミュニケーションを取る間柄です。
もちろん、細かい文化や制度の違いもありますし、東京の拠点は同じ渋谷ですが勤務しているフロアも異なりますので、全く同じ1つの会社と言える環境か、というとそうではありません。ただ、幹部層などをはじめとしてグループ内でのリレーションは今回の再編以前から十分に取れていますし、文化も基本的にはGMOインターネットグループという同じグループの中です。企業理念はグループで共通していますし、根源的な文化は同じです。そういった観点では、組織や環境における不安は全くないと考えています。

再編による市場変更・株式の影響について

Q5
今回、再編に伴いスタンダード市場ではなくプライム市場になる理由を教えてください。

橋口

今回の再編ではGMO-IG(株)から吸収分割により対象事業の譲受を行うスキームを取るのですが、それに伴い、日本取引所自主規制法人より、実質的存続性審査を受けることとなりました。これを簡単にご説明しますと、上場している企業において組織再編が発生した際、既に上場している会社の実態がそのまま残されているかを審査し、上場すべき市場を決定します。今回譲り受けた事業の資産や収益は当社のものと比較して大きく、当社が対象事業を譲り受けたGMO-IG(株)はプライム市場に上場していることから、実質的存続性がGMO-IG(株)の対象事業にあると判定され、プライム市場への上場見込みとなりました。
東証からもマーケットニュースとして開示されておりますので、詳しくはこちらをご覧下さい。

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Q6
吸収分割により新株が発行されるということで、株主の皆様は上場維持基準への適合状況や流通株式比率の減少が気になるものと思いますが、この対応はどのように進めるのでしょうか?

菅谷

先ほどお話しをしましたとおり、今回の再編により、2025年1月1日より当社はプライム市場への上場となる見込みです。当社はこれまで流通株式比率が上場維持基準に適合しておらず、25%の達成が求められるところ、2023年末時点において流通株式比率は23.3%となっておりました。プライム市場の場合、この流通株式比率は35%が求められることになります。しかしながら、今回の再編を行うことで、ご質問頂いているとおり新株が発行されることになりますので、当社の流通株式比率は1.44%まで低下する予定です。この数字を見ると非常にご心配をおかけするものと思うのですが、本再編にあたっては、当社・株主であるGMO-IG(株)ともに、上場維持を通じて株主の皆様に企業価値向上のリターンを還元していくことが最善であると捉えております。具体的な内容は検討中ではありますが、株価への影響に十分配慮した上で流通株式比率35%の充足を2026年12月末までに目指してまいります。

株主の皆様へ、メッセージ

Q7
最後に株主の皆様へ、メッセージをお願いいたします。

橋口

今回経営統合を行うということで驚かれた方も多くいらっしゃるかもしれませんが、今回の統合についてはあくまでも手段であると考えております。最終的な目的は、人やモノ、資金・情報・ノウハウといった当社やGMO-IG(株)が持っている経営資源をより柔軟かつ効率的に連携することによる、「企業価値の最大化」です。企業価値を最大化していくことが、株主の皆様をはじめとしまして、市場の皆様やお客様、パートナーといった全てのステークホルダーの笑顔に繋がると信じております。それに向けて、新生GMOインターネットとして一丸となって取り組んでまいりますので、株主の皆様におかれましては、引き続きご支援のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

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